ネタあつめ2
談志の小噺
「イヨッ!姉さん、粋だね。」
「何言ってんのよ、帰りだよ。」
「イヨッ!姉さん、粋だね。」
「何言ってんのよ、帰りだよ。」
小噺その一
「向こうの空き地に囲いができたねー」
「へー」
小噺その二
「向こうの空き地に塀ができたねー」
「かっこいー」
小噺その三
「鳩がなんか落としたねー」
「ふーん」
小噺その四
「鳩が糞を落としたねー」
「くそー」
小噺その五
「お母ちゃん、パンツ破けた。」
「またか」
小噺その六
「富士山ってーのは、名山だってな、登ったことがあるかい?」
「いいや まだ」
小噺その六
「(歌いながら)我は海の子 白波の・・・お母さん、僕って海の子なの」
「そうよ、お母さんは、生みの母よ」
小噺その七
「ちょっと、奥さん、お聞きになりました、山田さんとこの奥様、交通事故に遭って、顔がめちゃくちゃになったそうよ」
「あーら、かわいそうに」
「だけどね、最近の医学はずいぶんと進歩してて、ちゃんと元通りの顔になったそうよ」
「あーら、お気の毒に」
小噺その八
「ちょいと、うちの店には豚を連れて入っちゃダメなんですよ」
「あーら、失礼ね、これは犬ですよ」
「いや、私はね、その犬に言ってんですよ」
小噺その九
あるお酒の好きな方が、いいお酒を貰いまして、早速、燗をつけて、さー飲もうとしたところで、目が醒めた。
「しまった、冷やで飲みゃーよかった」
小噺その十
「あなた、洋服を買って来たって、それ?、なによ、それ、あなたって、本当にセンスが悪いんだから」
「何を言ってんだよ、お前を女房に選んだのは、俺のセンスだよ」
小噺その十一
「お祖父ちゃん、僕、デジカメ買ったんだよ」
「ほー、で、餌は何やるんだ」
小噺その十二
「お祖母ちゃん、私、イケメンって、大好き」
「あーそうかね、あたしはまだ食べたことがないがね、イケメンって、どんな麺類だい」
医者の小噺
「おう、どうしたんでー、ずいぶんと怒ってるねー」
「当たり前えーだよ、いまな、俺んちのガキがここで遊んでる所へ、あの町内の藪医者の野郎が偉い勢い走って来やがって、邪魔だてんで、足で俺んちのガキを蹴飛ばして行きやがった、見ろ、こんなに大きな瘤が出来てんだよ」
「はっはっは、怒るんじゃねーよ、足だからこの位の瘤で済んだんだ、手にかかってみろよ、命がなかったよ」
小噺・海外旅行
「えー、そう言うわけで、この度、この町内会でアメリカ旅行に行くことになりました。そこで、問題なのが、言葉です。アメリカの空港に着きますと、入国審査というのがあります、そこで、何の目的で来たのかと聞かれます、この目的という言葉は、英語で「パーパス」と言います。それが覚えにくいようでしたら、「パンパース」と覚えてください。そう聞かれたら、「観光で十日間」と答えてください。これを英語で言いますと観光は「サイトシーイング」と言います、十日間は「テンデイズ」と言います、続けて言いますと「サイトシーイング、テンデイズ」です。これが覚えにくければ、「斉藤寝具店でース」と覚えてください。
というわけで、皆でそろってアメリカに参りまして、空港で入国審査になりまして、「パンパース」という言葉が聞こえたもんですから、ここぞとばかりに、
「えーと、斉藤布団店でース」
小噺・日本に来た外国人
出かける前に一応日本語を勉強しまして、
日本語では「サンキュー」を「ありがとう」と言います。それが覚えにくいようでしたら「ワニ」を思い出して下さい、「ワニ」は英語で「アリゲーター」です。その外人さん、日本に参りまして、ここでお礼を言おうとして、そうだ、「ワニ」を英語で言えばいいと思いまして、
「おう、クロコダイル」
お殿様の小噺
「三太夫、今夜の菜の味は、いまいちじゃのー」
「はっ、恐れながら申し上げます、昨夜の菜は近在の百姓より仕入れたものでございます。今夜のものは、当屋敷にて獲れたものでございます。」
「ほー、近在の百姓より仕入れたものと、当屋敷のものとでは何が違うのじゃ」
「近在の百姓のものは、下肥をかけますが、当屋敷では下肥はかけませぬ。
「なに、下肥をかけると美味くなると申すか、あい分かった、苦しゅうない、これに下肥を掛けて参れ。」
泥棒小噺その一
あるとき、大変に足の速い方が泥棒を追っかけたてー話がありまして、
「おう、どうしたんでー、ずいぶんと急いでるねー」
「うん、いま、俺は泥棒を追っかけてんだよ。」
「そいつあーいいやー、お前は町内で一番足が速エんだから、で、泥棒はどっちへ逃げたんでー」
「うん、今、後からついてくるんだよ」
泥棒小噺その二
あるとき、泥棒さん、浅草の観音様のお賽銭は日にどのくらい上がるんだろうと、昼間のうちからガンをつけておきまして、夜になって本堂に忍び込み、お賽銭箱のお金を全部空けまして、大きな風呂敷包みをこさえてサー逃げようってーことになる。これが、裏門から逃げればどうってーことはなかったんですが、表門の方から逃げたもんですから、表門には仁王さんという門番がいる、それにとっつかまちゃった。襟っ首を摘みあげられまして、下へバーンと叩きつけられた、泥棒さん、四つん這いになったところへ、あの仁王さんの大きな足でぐいっと押さえつけられたから、奴さん、余程せつなかったとみえて、一発ブイッとやったてーやつですな。その匂いが仁王さんの鼻のあたりに漂ってきたから、たまらない。
「ウウーン、くせーもの」
「ヘヘー、におうか」
小噺・「お日様とお月様と雷様」
あるとき、お日様とお月様と雷様が揃って旅に出たってー話がありまして、三人で宿を取りまして、飲み始めた。お月様はあまり強くないと見えて「ムーン」ってーとひっくり返ってしまった。雷様は「ゴロゴロ」っと言いますと寝てしまった。お日様は一人で真っ赤な顔をして飲んでいる。あくる朝、
「ちょいと、雷様、雷様、起きて下さいよ。」
「アッアッアー、いやーよく寝たな~」
「なにをのんきなことを言ってんですか、お月様もお日様もとっくにお立ちになりましたよ。」
「へー、月日の経つのは早えーもんだ。」
「何を馬鹿なことを言ってんですよ、それより、雷様はすぐにお立ちになりますか。」
「いやー、俺はゆっくり夕立にしよう。」
与太郎小噺その一
「おい、与太、与太郎、ちょいと、こっちー来なよ」
「なんだい、お父っつあん」
「何だじゃーねー、お前ーのことを、世間では馬鹿だとか、間抜けだと言っているんだ、そんなことでは、嫁の来てなんかありゃーしねーぞ、どうすんだ」
「ははは、大丈夫だよ、嫁の来てがなかったら、うちのお花と一緒になるよ」
「だから、おめーは、馬鹿だてんだ、お花といえば、ありゃ、お前の妹じゃねーか、兄弟同士で夫婦になる奴があるか」
「兄弟ぐらいなんだ、うちなんか、親同士で夫婦だ」
与太郎小噺その二
兄弟揃って馬鹿ってー家がありまして、
「あんちゃん、あんちゃん、」
「なんだい、うるせーな」
「あのさ、一年ってーのは、十三カ月だよね」
「なんだと、十三カ月だ?どういうわけだ」
「えーとね、一月、二月、三月、四月、五月、六月、七月、八月、九月、十月、十一月、十二月にお正月だ」
「馬鹿野郎、お盆が抜けてらー」
与太郎小噺その三
兄弟揃って馬鹿で、親父も馬鹿ってー家がありまして、
「あんちゃん、あんちゃん、」
「なんだい、うるせーな」
「あのさ、来年の桃の節句と端午の節句とどっちが早くくるかな」
「なんだと、来年の桃の節句と端午の節句とどっちが早く来るのかって、そりゃー、おめー、桃もの節句が早く来ることもあれば、端午の節句が早く来ることもあらーな、ねー、お父っつあん、」
「馬鹿野郎、来年のことが今からわかるか」
与太郎小噺その四
兄弟揃って馬鹿で、親父も馬鹿ってー家がありまして、
「おい、お前ー何をやってんだ、こんな夜中に」
「あっ、あんちゃん、あのねー、お空にピカピカ光ってるお星さまをこの棒で落とそうと思ってね、さっきから一生懸命振り回してんだけど、なかなか届かないんだよ。」
「何だと、星を落とすだと、馬鹿だな、おめーは、星ってーのはな、うーんと高けー所にあるんだ、そんなもんで届くわけねーだろう、屋根へ上がれ。」
兄弟で屋根に上がって、棒を振り回しているところへ、親父が出てきまして、
「おい、おい、お前ーたち、何をやってんだ」
「あっ、お父っつあん、今ね、あんちゃんと二人で、あの星を落とそうと思ってね、棒を振り回してるんだけど、なかなか届かないんだ。」
「何だと、星を落とす、馬鹿だなお前たちは、その星ってーのは、落ちないんだ、」
「えーっ、落ちないのか、じゃー、お父っつあん、星ってーのは、ありゃ、何だ?」
「なんだ、お前たちはそんなことも、知らね―のか、じゃーな、よーく覚えときなよ、あの、星ってーのはな、雨の降る穴だ。」
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